台風15号に伴う千葉県風水害による災害派遣医療チーム(DMAT)活動報告

社会福祉法人恩賜財団済生会 千葉県済生会習志野病院
日本DMAT隊員看護師 苫米地 聖志

 2019年9月5日に発生した台風15号は非常に強い勢力のまま9日5時には千葉県千葉市付近に上陸した。台風が「非常に強い」勢力のまま関東の至近距離まで接近することは非常に珍しい事で、上陸時の勢力は関東としては過去最強クラスであった。記録的な暴風の影響により電柱や鉄塔の倒壊、倒木がいたる所で起き、千葉県内で東葛飾地域を除く全域で大規模な停電が発生した。
 9月9日午前にDMAT待機要請が入り準備を整えることとなった。同日夕刻に県より正式にDMAT派遣要請が入り、済生会習志野病院DMAT医師1名、看護師2名、薬剤師1名でチーム編成を行い、派遣先である君津中央病院に向けて出発した。
 君津中央病院へは第一陣で到着し、本部よりA病院(116床)が停電・断水により『病院孤立化』を起こしているため、入院患者100名を災害拠点病院である君津中央病院へ搬送するよう指示を受けた。A病院に到着してみると真っ暗闇の中、窓ガラスは破損され建物自体への被害も甚大であることに加え、インターネットや電話などの通信環境にも支障が生じていることが分かった。電気系統は発電機を使用しなんとか最小限の明かりを確保できている状態であった。そんな被災状況の中で、同病院の職員と厳しい高温・多湿の中での支援活動でした。

千葉県及び茨城県DMAT隊と共に夜通しピストン搬送を行いました。
千葉県及び茨城県DMAT隊と共に夜通しピストン搬送を行いました。
各地から参集したDMATチーム

 深夜3時が過ぎ、救急車の燃料がわずかとなり近隣のガソリンスタンドを10ヶ所程回ったがすべて閉鎖されている状態であった。君津中央病院活動拠点本部へ状況報告し一度習志野へ帰還し体制を整えることを伝え帰路についた。
 翌10日早朝、燃料の補給を行いチームを再編成し医師1名、看護師3名、医療調整員1名で再出発した。到着時には千葉県及び近隣県DMAT隊が集結し列となり搬送待ちを行っている状況だった。

搬送待ちをするDMAT車両

 この日の任務は、A病院から一旦君津中央病院へ搬送した100名を被害のない千葉県内及び近隣県の病院へ分散搬送のため、済生会習志野病院DMAT隊は中等症患者を市原市内病院及び千葉市内病院への患者搬送及び本部活動支援に従事しスクリーニング調査を行った。無事に任務を終え夕刻に帰還、チーム解散となった。
 今回のDMAT派遣時は当院でも災害拠点病院になって初めての活動であった。DMAT派遣活動を終えて振り返ると、派遣要請時のチーム体制や救急車内の物品配置、派遣場所での迅速な活動など課題が明瞭となり、反省点の多い活動となった。今後も来るべき災害に対し、より適格・迅速な活動がきるように、今回の活動を糧に準備、訓練を行い、急な派遣にも対応できるようにより実践的な体制を整えていかなければならないと痛感した。また、今回の課題を検証するとともに、地域における災害拠点病院及び済生会人として地域住民の心に寄り添い微力ながらでも貢献できるよう努力していきたい。。
 台風15号では甚大な被害を千葉県全域へもたらし、激甚災害へ指定された。一日でも早い復興を切実に願うばかりである。

帰還した済生会習志野病院DMAT隊

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