一般社団法人日本損害保険協会助成金について

移動型X線撮影装置の導入について

放射線科 科長 海老原 康之

2023年12月に新しく移動型X線撮影装置(以下ポータブル)を導入致しました。
ポータブル(Potable)はCTやMRIと違って、あまりなじみのある装置ではないかもしれませんが、最大の特徴として、その名の通り病室や救急外来まで出向き、動けない あるいは動かせない患者さんのX線検査を行うことが出来る優れた装置になります。

近年では医療被ばくなどが懸念されるという話題もありますが、今回導入したポータブルとFPD(フラットパネル)というデジタル検出器を併用することにより、撮影線量を従来のものより大幅に削減できるだけでなく、画質の向上により診断能も高くなりました。

ただし、装置の性能が良くてもそれを生かせる技術が無くてはなりません。私たち放射線科スタッフは、画像診断に関わる専門職として医療被ばくの低減に努め、高度で良質な画像の提供ならびに安全な検査の遂行に尽力し、これからも患者さんの健康と福祉の増進に寄与してまいります。

この移動型X線撮影装置は、一般社団法人 日本損害保険協会の助成金により導入致しました。

生体情報モニター装置の導入について

臨床工学科 科長 中村 大作

2025年11月に新しく生体情報モニターの導入を実施いたしました。これにより、救急医療における安全性、精度、そして患者さんの快適性が大きく向上します。

1.救急外来での迅速・精密なモニタリングと「異変の兆候」の早期発見新しい生体情報モニターは、救急初療(初期診療)の質の向上に大きく貢献しています。
1)より速く、より優しく
・非観血血圧測定(iNIBP) の機能が高速化され、患者さんの血圧を短時間で測定できるようになりました。測定時の腕への締め付け(加圧)も少なくなり、患者さんの苦痛や負担を大幅に軽減します。

2)急激な容態変化の早期検知
・新しいモニターに搭載されたPWTT(脈波伝播時間)機能は、血圧が急激に下がり始める*「兆候」を自動的に解析・検知します。
* 従来の「決まった時間だけ」の測定では見逃されがちだった急変の初期段階をいち早く察知できるため、より安全な救急処置につながっています。

2.検査・病棟への移動時も途切れない安心感(トランスポート機能)
救急外来で治療を開始した後、検査室や病棟へ移動する際の安全性が大幅に向上しました。
1)モニター付け替えが不要に
・新機種の「トランスポート機能」により、移動中も同じモニターで継続して患者さんの容態を監視できます。これにより、移動のたびに別のモニターにコードをつなぎ替える手間や時間がなくなりました。
2)搬送時のリスクを大幅に低減
・搬送中の継続的なモニタリングが実現したことで、移動中の患者さんの容態変化にも迅速に対応できるようになり、患者さんの安全の確保に貢献しています。

今回の生体情報モニター更新は、救急医療における安全性、精度、効率性を総合的に向上させる、極めて効果的なものとなり、当院は地域医療の「最後の砦」として、今後もより質の高い安全な医療を提供できるよう邁進してまいります。

この生体情報モニター装置は、一般社団法人日本損害保険協会の助成金により導入致しました。

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