実践能力 / レベル |
レベルI |
レベルII |
レベルIII |
レベルIV |
レベルV |
看護の核となる実践能力 |
レベルの
定義 |
基本的な看護手順に従い必要に応じて、助言を得て看護を実践する。 |
標準的な看護計画に基づき自立して看護を実践する。 |
ケアの受け手に合う個別的な看護を実践する。 |
幅広い視野で予測的判断をもち、看護を実践する。 |
より複雑な状況において、ケアの受け手にとっての最適な手段を選択しQOLを高めるための看護を実践する。 |
aニーズをとらえる力 |
レベル毎
の定義 |
助言を得てケアの受け手や状況(場)のニーズをとらえる |
ケアの受け手や状況(場)のニーズを自らとらえる |
ケアの受け手や状況(場)の特性をふまえたニーズをとらえる |
ケアの受け手や状況(場)を統合しニーズをとらえる |
ケアの受け手や状況(場)の関連や意味をふまえニーズをとらえる |
行動目標 |
- 1. 指導を受けながら患者に必要な情報収集(身体的・精神的・社会的・スピリチュアル)ができる
- 2. ケアの受け手について施設で定められた形式・方法・手順で情報収集ができる
- 3. ケアの受け手の状況から異常に気付くことができる
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- 1. 自立して必要な情報収集(身体的・精神的・社会的・スピリチュアル)ができる
- 2. 得られた情報をもとに、ケアの受け手の全体像をとらえることができる
- 3. ケアの受け手の看護の課題がわかる
- 4. ケアの受け手に必要な標準的な看護がわかる
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- 1. ケアの受け手に必要な個別性をふまえた情報収集(身体的・精神的・社会的・スピリチュアル)ができる
- 2. 多職種からも積極的に情報(入退院支援に必要な情報)を得ることができる
- 3. ケアの受け手や周囲の人々の希望を踏まえ、入院生活や退院調整に必要なニーズをとらえることができる
- 4. 得られた情報から優先度の高いニーズをとらえることができる
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- 1. 予測的に状況を判断し身体的・精神的・社会的・スピリチュアルな側面から必要な情報収集ができる
- 2. 意図的に収集した情報を統合し、ニーズをとらえることができる
- 3. ケアの受け手や周囲の人々の価値観を理解することができる
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- 1. 複雑な状況を把握し、ケアの受け手を取り巻く多様な状況やニーズの情報収集ができる
- 2. ケアの受け手や周囲の人々の価値観に応じた判断ができる
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bケアする力 |
レベル毎
の定義 |
助言を得ながら、安全な看護を実践する |
ケアの受け手や状況(場)に応じた看護を実践する |
ケアの受け手や状況(場)の特性をふまえた看護を実践する |
様々な技術を選択・応用し看護を実践する |
最新の知見を取り入れた創造的な看護を実践する |
行動目標 |
- 1. ケアの受け手に対して、看護手順に沿った基本的な援助ができる。
- 2. 未習熟な技術を実施する場合に、確認や応援を求めることができる
- 3. ケアの受け手の状態及び変化について、報告・連絡・相談ができる4.指導を受けながら、看護計画の立案・評価・修正ができる5.看護記録の記載基準に沿って、実施したケアの記録ができる
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- 1. ケアの受け手の個別性を考慮しつつ、標準的な看護計画を立案できる
- 2. ケアの受け手と周囲の人々へ看護計画について説明し理解を得て実践できる
- 3. ケアを実践する際、必要な情報を得て状況に応じた援助ができる
- 4. 実践したケアの結果をもとに、看護計画を評価・修正できる
- 5. 実践したケアの記録ができる
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- 1. ケアの受け手の個別性に合わせたケアを実践できる
- 2. ケアの受け手の顕在的・潜在的ニーズを察知し、ケアの方法を工夫できる
- 3. 看護計画の評価・修正の際に、ケアの受け手の個別性に合わせたケア方法を取り入れることができる
- 4. 倫理的・法的視点を念頭に、実施したケアの記録ができる
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1. ケアの受け手の顕在的・潜在的なニーズに応えるため、幅広い選択肢の中から適切なケアを実践できる
2. 幅広い視野でケアの受け手をとらえ、起こりうる課題や問題に対して予測的および予防的に看護実践ができる3.倫理的な課題の解決に向け行動できる |
1. ケアの受け手の複雑なニーズに対応するためにあらゆる知見(看護および看護以外の分野)を動員し、ケアを実践し評価し、さらにより良いケアを追求できる
2. 複雑な問題をアセスメントし、最適な看護を選択できる |
c協働する力 |
レベル毎 の定義 |
関係者と情報交換する |
看護の展開に必要な関係者を特定し、情報交換する |
ケアの受け手やその関係者、多職種と連携する |
ケアの受け手を取り巻く多職種の力を調整し連携する |
ケアの受け手の複雑なニーズに対応できるように、多職種の力を引き出し連携に活かす |
行動目標 |
- 1. チームメンバーの役割が理解できる
- 2. ケアの受け手についてチーム内で関係者と情報共有することができる
- 3. 先輩・上司に報告・連絡・相談ができる
- 4. ケアの受け手及び関係する人々には、それぞれの思いや考え(価値観)があることが理解できる
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- 1. チームメンバーの役割を自覚し行動できる
- 2. チーム内でケアの受け手の病状に即した情報の収集と提供ができる3.カンファレンスで自己の意見を述べることができる
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- 1. 日々のチームリーダーの役割を理解し、行動できる
- 2. ケアの受け手とケアについて意見交換できる
- 3. 必要な職種に協力を求めることができる
- 4. ケアの受け手や周囲の人々について情報を収集し、多職種と共有できる
- 5. 多職種カンファレンスでケアの受け手に関する情報提供や看護上の問題・課題を提起することができる
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- 1. ケアの受け手が置かれている状況(場)を広くとらえ、結果を予測し、主体的に多職種と協力し合うことができる
- 2. 多職種間の連携が機能するように調整することができる
- 3. 多職種の活力を維持・向上させる関わりができる
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- 1. 複雑な状況(場)の中、ケアの受け手のニーズに適切に対応するために、関係者に積極的に働きかけることができる
- 2. 多職種連携が十分に機能するよう、その調整的役割を中心的に担うことができる
- 3. 目標に向かって多職種の活力を引き出すことができる
- 4. 組織的な倫理的課題に関心を持ち、積極的に関わることができる
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d意思決定を支える力 |
レベル毎 の定義 |
ケアの受け手や周囲の人々の意向を知る |
ケアの受け手や周囲の人々の意向を看護に活かす |
ケアの受け手や周囲の人々に意思決定に必な情報提供や場を設定する |
ケアの受け手や周囲の人々の意思決定に伴うゆらぎを共有し、選択を尊重する |
複雑な意思決定プロセスにおいて、多職種も含めた調整的役割を担う |
行動目標 |
- 1. 人間関係の基本的姿勢(尊重、共感、傾聴、受容など)を持ち、接することができる
- 2. ケアの受け手や周囲の人々の思い、考え、希望をくみ取ることができる
- 3. ケアの受け手や周囲の人々からの質問や依頼に対し誠実に対応できる
- 4. 看護者の倫理綱領と照らし合わせて考えることができる
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- 1. チーム内でケアの受け手の病状に即した情報の収集と提供ができる
- 2. ケアの受け手や周囲の人々からの質問や依頼に対し誠実に対応できる
- 3. 倫理綱領に基づき、看護ケアを実践できる
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- 1. ケアの受け手や周囲の人々へ意思決定に必要な情報を提供することができる
- 2. ケアの受け手や周囲の人々の認識と医療側の認識のずれに気づくことができる
- 3. ケアの受け手や周囲の人々の意向の違いを多職種に代弁することができる
- 4. 日常業務の中で倫理的な問題に気づくことができる
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- 1. ケアの受け手や周囲の人々の意思決定プロセスに看護職の立場で参加し、適切な看護ケアを実践できる
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- 1. 適切な資源を積極的に活用し、ケアの受け手や周囲の人々の意思決定プロセスを支援できる
- 2. 法的及び文化的配慮など多方面からケアの受け手や周囲の人々を擁護した意思決定プロセスを支援できる
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