看護部紹介Nursing Director
感染症は老若男女問わず、すべての世代の身近にある健康脅威です。しかしながら感染症は時として、個人の行動制限が生じたり、周囲から理解が得られなかったりと倫理的な問題を生じることがあります。感染症看護専門看護師はこれらの問題の解決を図り、感染症からの健康回復や集団の感染予防を実践します。
また、時として、地域の医療機関や高齢者施設、保健所などの行政と連携して、地域社会の感染症動向を監視しつつ必要時は、地域への支援なども実践しています。
病院には感染症にかかっている方、感染症にかかりやすい方が同時に存在する環境です。病院内で感染が広がるのを防ぐため、感染管理室及び感染制御チームのメンバーとして活動しています。感染発生動向調査、感染対策実施状況の把握をして、指導や相談に対応しています。感染対策は職員全員で実践する必要がありますので、そのサポート役として連携をはかりながら、感染対策の推進をしています。
皆さんは「緩和ケア」にどのようなイメージをお持ちでしょうか? 緩和ケアとは、患者さんとご家族の身体と心などの様々なつらさを和らげるケアです。そしてがん患者さんだけではなく非がん患者さんへの緩和ケアの必要性も高まり、緩和ケアの対象とケアの内容も広がっています。
当院には、医師・看護師・薬剤師・リハビリ・栄養士など多職種で構成されている緩和ケアチームがあり、その一員として活動しています。 がん・非がんに限らず患者さんとご家族のつらさを和らげ、ご自分らしく穏やかな充実した時間を過ごすことができるよう、主治医や担当看護師とともに支援していきたいと考えています。
乳がんは、日本人女性のがん罹患率1位であり、家庭や職場で多様な役割を担う40歳頃より増加します。また、長い経過をたどることも多いため、病気とうまく付き合っていくことが大切になります。乳がん看護認定看護師として専門的な知識を活かし、治療選択のサポートや、手術後の補整具(下着・パッド)の紹介、リンパ浮腫予防のためのセルフケア指導、療養上の相談などを行います。
患者さん自身が納得しながら治療やケアを受けられるよう、お手伝いをしていきたいと思います。
いま、日本では「がん」を患う方は二人にひとり、といわれている時代です。
誰もが、いつ「がん」と告知を受けても不思議ではありません。このような時代だからこそ、患者さん一人ひとりの希望や悩みに寄り添いながら、自宅で日常生活が送れるようサポートしていきたいと考えています。
また患者さんだけでなく、ご家族も不安な思いや副作用に対してどうしたらいいかと悩むことがあるのではないでしょうか? そのようなときにも、わたしや当院の患者サポートセンターをご活用いただけます。患者さん、ご家族の心の拠り所となるよう看護職員、医師、薬剤師などと連携していきます。
糖尿病看護認定看護師として、糖尿病を持つ患者さんやそのご家族に対して、外来・病棟スタッフや他職種と協働し、療養生活や治療に関する相談・支援・フットケア等を行なっています。isCGM(持続血糖測定)の導入により、夜間や早朝の低血糖、食後の高血糖がわかるようになり、より血糖管理に対して患者さんと一緒に考えることができるようになりました。糖尿病看護は、患者さん自身が無理なく糖尿病と折り合いをつけながら生活していけるよう支援することを大切にしています。
糖尿病を持つ一人ひとりがその人らしい生活が送れるように、毎日の生活の中にある意思決定と療養のお手伝いをしていきたいと思います。
私の活動は褥瘡(いわゆる床ずれ)を含むキズ全般のケアと、ストーマ(人工肛門・人工膀胱)ケア、失禁ケアであり、皮膚と排泄のケアを中心に担当しています。皮膚はすべての人が持ち、排泄はすべての人が行う生理的なことであり、スキンケアや排泄ケアは看護の基本だと考えています。それゆえに患者さんやご家族だけでなく、医療スタッフも困りごとや不安な事が多い分野だと思っています。患者さんに生じる症状や想いに常に寄り添い、患者さんやご家族、そして関わるすべての医療・福祉スタッフが不安なく過ごせるようお手伝いしています。また入院中だけではなく退院後も継続的にケアが行えるよう、他職種と協働して取り組んでいきます。
集中ケア認定看護師は、専門的な知識・技術を用いて、生命の危機的状況にある患者さんの早期回復支援を行います。
「集中治療室」と聞くと、「こわい」「つらい」などのネガティブなイメージがあるのではないでしょうか? 集中治療室では、治療を受けるにあたり、日常生活で様々な制約が多い場所ではありますが、その中でも患者さんやご家族が少しでも安心して過ごせるようにお手伝いをしたいと思います。
また、多職種がチームで患者さんやご家族に関わる場所でもあります。患者さんやご家族がよりよい医療・看護を受けられるように支援しています。
今までは医師の直接指示がないと行えなかった診療行為の一部を、指導医のもと特定看護師の判断で実施できるため、患者さんへよりタイムリーな対応が可能となりました。
現在、実施できる特定行為は①栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 ②呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連です。療養中に脱水になっていないか等、他職種と情報共有しながら必要な点滴管理をさせていただきたいと考えています。
またNPPV(非侵襲的陽圧換気)やIPPV(侵襲的陽圧換気)を使用している患者さんには、全身状態を観察しながら機器の設定を調整し早期に離脱できるよう、医師と連携をはかり支援していきたいと考えています。