■ CLOSE UP -当院で行われる治療方法や知っていただきたい医療情報などをクローズアップします。-

もしも乳房にしこりを見つけたら

 最近は、乳がんの自己検診が広く行われるようになっています。
たまたま触った時、乳房にしこりを見つけて来院される方も多くいらっしゃいます。
乳房にしこりがあればもしかしたら乳癌かも…とどなたも考えることでしょう。
実際には乳房のしこりはすべてが癌というわけではありません。
乳腺症が固く触れることもありますし、線維腺腫という良性のしこりであることも多いです。
乳房に見つかったしこりが悪性のものなのか良性なものなのかは病院で調べてもらわなければわかりません。
もし、乳がんであったら手術を含めた治療が必要になります。
乳がんは外科で診断と治療が行われます。平成20年には乳がんは女性の悪性新生物(がん)による死亡原因の第4位になっています。ちなみに、1位は大腸がん、2位は肺がん、3位は胃がんです。
 

診察の流れ

診断後の診療について

良性のとき

そのまま経過をみることもありますし、良性腫瘍でも大きいものやこれから大きくなりそうなものでは手術をしてとってしまったほうがよいこともあります。医師の説明をよく聞いていただいてご自身で判断していただくことになります。

 

がんと診断されたとき

がんを治そうという強い決心をしていただいて、手術を受けられることお勧めします。
がんは体のあちこちに転移をしますので、がんの拡がりを調べてから治療方針が決まります。がんの拡がりが大きい場合は先に抗がん剤による治療をすることもありますが、通常はまず手術を行います。

 

手術について

手術は乳がん治療の第1歩です。
手術は可能な限り乳房温存術が行われますが、乳腺内でのがんの拡がりが大きい場合は乳房全摘術になります。
当院は国立習志野病院時代から1000例を超える手術実績があります。

乳房温存術

可能な限り乳房温存術を行います。
がんの大きさによって多少乳房の形が変わることがあります。術後は放射線治療を行うのが普通です。

 

乳房全摘術

乳房全摘術では乳房全体を切除してしまいますが、胸筋は温存されますので肋骨が浮き出してしまうようなことはありません。
乳がんはわきの下のリンパ節へ転移を起こしやすいので、わきの下のリンパ節への転移には注意をする必要があります。
かなり以前の手術では、わきの下のリンパ節をすべてとる手術が行われていましたので、手術後に腕がむくむことがありました。
現在では、わきの下のリンパ節が腫れていないと思われる場合は、センチネルリンパ節生検を行い術中に病理診断を行って、転移が認められなければそれ以上リンパ節を取ることはしません。センチネルリンパ節は乳がんからのリンパの流れが一番初めに行くリンパ節で、乳がんのリンパ節転移が一番初めに起こると考えられるリンパ節です。


手術後の治療について

手術後は、乳房温存術では残った乳腺にリニアックによる放射線治療を行います。
抗ホルモン剤が効くか調べて、有効ならば抗ホルモン剤の内服または注射を行います。
分子標的治療薬(ハーセプチン)が有効であればこれを使用することもあります。
がんの拡がりが大きい場合には抗がん剤による治療が行われます。
また、不幸にして再発が起こってしまった場合には抗がん剤、分子標的治療薬が使われます。乳がんに効く抗がん剤は何種類もありますので、次々に使っていくことで、お元気で過ごすことができます。

当院の診療体制

当院では、診断から、手術、放射線治療、抗がん剤治療まで、すべての治療を一貫して受けることができます。
外科外来診療の担当医は全員マンモグラフィー読影認定医です。
センチネルリンパ節生検では、最も確実といわれる色素法と放射性同位元素法を用いており、常勤の病理医が乳腺エコーから細胞診まで行い、その日のうちに診断がつきます。
また、火・木曜日の午前・水曜日の午後には乳腺外来も開いています。

乳がんにかかった方のうち約4分の3の方は10年以上生存されるといわれています。
大腸がんや肺がん、胃がんに比べると、ずっと長生きできるがんなのです。乳房にしこりを感じたら迷わず外科にかかってください。
乳がんで死なないためには早期発見、早期治療が大切です。